大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(オ)829 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人代理人の上告理由は末尾添附のとおりであるが

原審の認定した処によると、訴外(第一審上告人の相被告)Dは被上告人から本

件土地を賃借し該地上に本件建物を所有して居たが、賃料不払により賃貸借を解除

せられ、右建物を収去して土地を明渡さなければならない関係にあつたのでめる。

されば控訴人がたとえ右Dの承諾の下に事実上右家屋に居住して居たとしても、D

が家屋を収去して土地を明渡さなければならない以上上告人はこれを妨げて該家屋

に對する占有を継續し得る權限を有しないこと勿論である。かかる関係において偶

その後に至り被上告人の息子たるEがDから該家を買取り被上告人が右Eに居住を

許諾するに至ったからといって、その為め上告人の地位が、他に何等の原因も無い

のに、突如有利に展開して上告人が該家を再び自己に引渡すことを(上告人は既に

一審判決の仮執行により該家屋の明渡を了して居ること上告人の自ら主張する処で

ある)請求し得るに至る理由はない。本件において原審の判示する処は正当であり、

論旨は理由がない。

よつて民事訴訟法第四〇一条、第九五条、第八九条に従い裁判官全員の一致で主

文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

- 1 -

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!